帰宅した俺は、早速、山支度(やまじたく)を始める。10月の枺─稀ⅳ蓼坤蓼琅àⅳ郡浚─い椤⒆扭胛镆护娜·盲皮狻ⅳ饯Δ饯荬摔工氡匾蠠oい。しかし、これが山、とりわけ標高3000メ去爰墹畏'高ともなると話は摺盲皮搿¥长渭竟潯⒁欢龋à窑趣郡樱⑻旌颏坤欷欷小ⅳ郡趣ㄆ降丐辘扦ⅳ盲皮舛牼には雪が降る。そう言う時季なのだ。3年前の事だが、10月上旬、紅葉真っ盛りの涸沢にまとまった雪が降った。涸沢は降り積もった雪で一面銀世界となったのだが、稜線はと言うと当然、こちらも真っ白だ。前罚Ц咴坤榘路'高岳、涸沢岳、そして、北罚Ц咴坤丐冗Bなる罚Ц撙未蟀侗冥柟猓à遥─苏栅椁丹欷瓢驻xき、雪の中にはナナカマドが燃えるような赤で彩(いろど)りを添える。今でも目に焼き付いてるが、実に美しい情景だ。そんな事を思い出しながら、俺は、アイゼンにピッケル、ワカンと言った冬山装備も準備する。
平湯温泉から松本、更に枺─丐葢盲皮堪长稀⑸街Ф趣颏趣趣韦à毪取⒃伽印⑿滤薨k松本行きのJR特急ス雪‘あずさへと仱盲俊H栅2度も佨嚖贰|京と松本を行き来するのだから、何ともせわしない。しかし、今度の目的地は平湯温泉では無い。新罚Ц撙馈K杀兢樾路'高までは、松本バスセンタ樵伽鹰啸工藫eられていくのだが、あいにくと松本に着いた時には既に最終便が出発した後(あと)。やはり奥飛騨は遠い。今夜は松本駅近くのホテルへと泊まり、明日一番で新罚Ц撙叵颏Δ趣筏瑜Α
10月20日、火曜日、午前7時50分── 。
俺は松本バスセンタ楦呱綕怙wバスセンタ肖违啸工丐葋車した。夏山シ亥螭摔稀ⅳ长长樾路'高への直通バスが走っているのだが、今は登山シ亥螭饨K盤の10月。松本から新罚Ц撙匦肖摔稀⑵綔氯钎啸工騺り換えねばならない。平湯温泉で仱険Qえ待ちをする事25分。結局、新罚Ц撺啸攻咯‘ミナルに着いたのは午前10時を回っていた。
バスを降りた俺は、バスタ撺圣毪坞O、新罚Ц撺愆‘プウェイ駅構内のレストランへと入り、とりあえずコ药‘を一杯注文する。八重洲ブックセンタ琴Iってきた地図をおもむろに取り出し、熱いコ药‘を啜(すす)りつつ、新罚Ц撙榉'高の稜線までのル趣蚋膜幛拼_認するのだが、見れば、ここから白出沢出合(しらだしさわであい)まで2時間、白出沢出合から重太郎橋(じゅうたろうばし)まで2時間、更に重太郎橋から荷継小屋跡まで1時間半、そして、荷継小屋跡から罚Ц咴郎角Pの建つ白出のコルまで3時間半。結局、新罚Ц撙榉'高の稜線に立つまで9時間はかかる事になる。腕時計に目をやれば、まもなく午前10時半。今すぐ発(た)ったとしても、稜線に蓿曜扭挨巳彰护蛴à皮筏蓼Α¥筏狻ⅳ饯伍g、泊まる事の出来る山小屋は1軒も無い。途中で幕営しようにもテントは持ってきていないし、地図を見た所、設営可能な場所も無さそうだ。焦ってもどうにもならないと観念した俺は、今夜は新罚Ц呶氯瞬搐蓼辍⒚魅栅卧绯⒊霭kする事にした。
今夜の宿を求めて観光案内所を訪ねた俺は、ここからバスで来た道を少し下(くだ)った所にある一軒の温泉宿を紹介された。弓折岳(ゆみおりだけ)、槍ヶ岳、罚Ц哌B峰に源(みなもと)を発する左俣(ひだりまた)、右俣(みぎまた)の流れが、丁度、新罚Ц撙呛悉铯丹昶烟锎ǎà蓼郡铮─趣胜搿¥饯吻辶鳏藪欷氲酰à模─陿颏蚨嗓辘盲克私褚工嗡蕖干钌角P(しんざんそう)」はあった。
今日はもう何も出来ないし、折角、奥飛騨温泉郷の最奥(さいおう)にある新罚Ц呶氯蓼扦浃盲评搐郡韦馈L枺à遥─悉蓼栏撙いⅳ长嗡拮月卧慈绷鳏仿短祜L呂へと浸かる。蒲田川河畔(かはん)にある露天風呂は、川上(かわかみ)に抜戸岳(ぬけどだけ)、川下(かわしも)に焼岳(やけだけ)を望み、周囲には丁度始まったばかりの紅葉が彩りを添える。川の潺(せせらぎ)に耳を傾けながら浸かる露天風呂は最高だ。普段、都会のス雪‘銭湯で溜飲(りゅういん)を下げている俺にとっては、この上も無い贅沢(ぜいたく)だ。夕食に出された飛騨牛のステ庵激盲郡贰⒄搜预κ聼oし???と部屋で寛(くつろ)いでいると、やおら携帯電話が鳴った。木村未来からだ。
「もしもし」
「響資さん? 未来です」
「どうしたの?」
「どうしたのって???一昨日(おととい)、昨日と2日間、電話が無かったから、ひょっとして響資さんの身に何かあったんじゃ無いかと心配になって電話したんじゃないですかぁ」
「それは、ゴメンゴメン」
「ところで、今どこですか? 響資さんさえ良かったら、これからどこかで食事でもと思ったんですけど???あ、2回もおごってもらっちゃったから、今回は私がおごりますよ!」
「ありがとう。気持ちは、とてもありがたいんだけど、それはちょっと無理なんだな。実は???今、岐阜にいるんだよ」
「岐阜?」
「うん、耍麤gさんの足跡を追って松本を訪ねたんだけど、そこから、平湯温泉、そして、新罚Ц呶氯丐绒{り着いちゃってね」
「て言うか、本当は誰か『いい女性(ひと)』と一緒に温泉旅行でもしているんじゃ無いですか?」
電話越しだが、どうやら彼女はふくれているようだ。思わず目に浮かぶ。
「本当だって。君に嘘ついても仕方ないだろ?」
「信じてますよ、私だって。平湯と新罚Ц撙坤胜螭疲浚浚棵販菠辘筏皮い腠戀Yさんが羨(うらや)ましかっただけですぅ」
「おいおい???俺だって撸Г婴抢搐皮い朐Uじゃないんだよ」
俺は、松本を訪ねてから今日までの経緯(いきさつ)を彼女に話した。
「それじゃ、深山係長が耍麤g課長を殺したって言うんですか?」
「いや、まだ深山さんが耍麤gさんを殺したって決まった訳じゃ無い。今の所は、その可能性が高いって言うだけだよ」
「でも、響資さんは深山係長を疑っている訳でしょ?」
「まあね」
「で、これからどうするんですか?」
「明日の早朝、宿を出発して、新罚Ц撙樗{沢さんの遺体が見つかった涸沢岳沢へと登ってみるよ」
「それじゃ、明日はまだ戻ってこられないんですか?」
「ああ。新罚Ц撙蛟绯霭kするけど、日帰りは無理だろうから、明日は稜線の山小屋へ泊まるよ。そっちへ戻れるのは明後日(あさつて)か???明明後日(しあさつて)になるかなぁ」
「分かりましたぁ???」
彼女は淋(さみ)し気(げ)な声で答えたが、こればかりは仕方がない。ここは彼女に我慢してもらうしかない。
「ところで、未来さん、一つ約束して欲しい事があるんだけど」
「何ですか?」
「深山さんが耍麤gさんを殺した可能性が高いとは言え、まだ『クロ』と決まった訳じゃないし、会社では深山さんに、ごく普通に接してもらいたいんだ」
「普通に?」
「そう、普通に。何事も無かったかのようにね。それと、未来さんが俺と会ったり、電話で連絡取り合ったりしている事も一切伏せておいて欲しいんだ。約束してくれるかな?」
「それは、響資さんの頼みなら何だって聞きますよ。でも、何故ですか?」
「俺が考えているように、もしも、深山さんが本当に犯人だとしたら、色々嗅ぎ回っている俺や未来さんに、どんな危害が及ぶか分かりゃしない。それに元はと言えば、未来さんをこの件に引きずり込んだのは俺だし、万が一、未来さんの身に何かあったりしたら、俺???」
「響資さん???ありがとう???」
電話越しだが、彼女の声が震えているのが分かる。どうやら、泣いているようだ。
「未来さん???大丈夫?」
「ええ、大丈夫。嬉しかったんです。響資さんが私の事、心配してくれて???」
普段、女心なんて丸きり分からない鈍感な俺でも、流石にこの一言(ひとこと)には心が揺れる。初めて、彼女の事を心の底から愛(いと)おしいと感じた。
電話を切った俺は、彼女の声の余韻を胸に布団へと入る。それにしても、ヌ佶毳些‘グで彼女と初めて出会ったのは、ほんの5日前の事だ。にも関わらず、お互い、こうも早く惹かれ合うようになるだなんて。それもこれも耍麤gの死がきっかけなのだから、正に人の縁とは不思議なものだ。
10月21日、水曜日、午前7時── 。
宿の主(あるじ)に頼んで用意しておいてもらった弁当を受け取り、俺は深山荘を出発した。空はどこまでも蒼(あお)く澄み渡り、蒲田川の流れが上流から冷風を撙螭扦搿?諝荬狭荩à辘螅─趣筏皮い贫嗌偌『ぁ
「なあに、歩き始めれば、どうせ汗ばむんだから、これくらいで丁度いいや」
今日は朝から夕方まで、みっちり歩く事になる。長い道中を前にして、自らに気合いを入れる。
新罚Ц撙虺霭kした俺は、右俣谷左岸の退屈な林道を行く。左俣谷沿いの林道を行けば、双六岳(すごろくだけ)、三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)、鷲羽岳(わしばだけ)、水晶岳、课謇稍溃à恧伽搐恧Δ坤保─妊预盲俊ⅳい氦烀坤郡氡饱ⅴ毳抓工蚊澶丐戎沥毪韦坤⒔窕丐蠀gなる物見撸剑à猡韦撙妞丹螅─康膜扦蠠oい。あくまでも、耍麤g、そして、深山が歩いたであろう足跡(そくせき)を蓿毪韦康膜馈S屹读值坤驓iくこと1時間。最初の休憩地、罚Ц咂剑à郅郡坤い椋─丐茸扭I饯沃肖我卉幩蓼妊预盲匡L情(ふぜい)の罚Ц咂奖茈y小屋が建っているが、あいにくと人っ子一人いない。入口横の案内板をよく見ると、この時期は土日しか営業していないと書かれている。道理で誰もいない訳だ。俺は小屋の前に広がる放牧場で、鳥が囀(さえず)る中、長閑(のどか)に草を食(は)む牛達を眺めつつ、暫し休息を取った。
罚Ц咂饯虺訾1時間。白出沢出合に着く。この儘、林道を進めば、槍平(やりだいら)を経て「日本のマッタ邾毳蟆工趣獬皮丹欷朊濉尌鲈坤丐戎沥毪韦坤⒘值罋iきはここでお仕舞いだ。ペットボトルに湧き水を補給し、右側の樹林帯へと足を踏み込む。ここから次のポイント、重太郎橋までは白出沢左岸の獣道(けものみち)の如(ごと)き細い登山道を行く。陽光(ひ)を遮(さえぎ)るものが無かった林道とは打って変わり、木陰(こかげ)の中を歩くので、とても涼しい。とは言え、新罚Ц撙虺霭kしてから、ここまでで出会った登山者は一人もいない。共に罚Ц撙味牼を目指すル趣扦ⅳ毪摔忾vわらず、上高地、新罚Ц撙绕鸬悚悿胜毪坤堡恰ⅳ长欷郅嗓蓼扦瞬瞍ⅳ毪趣纤激铯胜盲俊¥长欷⒛妞松细叩丐椁坤盲郡椤⑺耍à窑龋─瘸龌幛铯胜い瑜Δ摔工胧陇畏饯yしい。これなら、このル趣蛏钌饯人{沢が歩いたとしても、他人に見られた可能性はとても低かった事だろう。
午前11時過ぎ、重太郎橋に着く。「重太郎橋」なんて言うと、さぞや立派な橋が架(か)かっていると思われるかも知れないが、実際には角材を番線で束(たば)ねたものが白出沢の流れの上に渡されているだけだ。しかも、大雨の時や雪解けで沢の水量が多い時には橋は水没。ここを渡るのが困難になると言うのだから恐れ入る。幸い、ここ数日晴天続きで、雪解けの時期でも無い事から、沢の水量はそれ程でも無い。何の苦も無く渡れたのはいいが、一難去って又一難。橋の次は回廊だ。左側は垂直な岸壁、右側は切り立った断崖。幅1メ去氤踏蜗沥せ乩趣瑫氦Aくのだが、所々に設置された標識には、「落石注意、速(すみ)やかに通過せよ」等と書かれている。実際、比較的新しい崩落跡にも遭遇した。ここではゆっくり休む事すら出来ない。腰を下(お)ろして休みたいのは山々だが、先へと進む。
回廊を抜け樹林帯の急登(きゅうとう)を進む。次第に沢の流れる音も遠ざかり、突然、見渡す限り一面のガレ場が目の前に現れた。横には、いつ頃、うち捨てられたのかも分からない朽(く)ち果(は)てた小屋がポツンとある。腕時計に目をやれば、正午はとうに過ぎている。荷継小屋跡へと到着したのだ。
深山荘で用意してもらった弁当を食べ終わった俺は、ル劝改诎澶虼_認する。なるほど、涸沢岳の南西尾根を挟んで左右に似たような二つのガレ場が稜線へ向かって続いている。罚Ц咴郎角Pの建つ白出のコルへは右奥の白出沢のガレ場を登らなくてはならないが、ここへ初めて来た者にとっては、左手前の荷継沢のガレ場を登りたくなる道理も良く分かる。ル劝改诎澶瑹oければ、恐らく俺ですら何も考えずに、手前の荷継沢を登るだろう。ましてや、案内板に細工がされていたとすれば尚更(なおさら)の事だ。とは言え、今日は白出のコルへ向かうのが目的では無い。耍麤gの滑落遺体が発見された涸沢岳沢へと向かわねばならないのだ。
荷継沢を登り始めて、そろそろ1時間。右側に別のガレ場が現れた。荷継沢自体、一般の登山ル
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